片頭痛
片頭痛(実は偏頭痛という漢字は間違っています)という病気をご存じでしょうか?
片頭痛とは頭が痛くなる病気の代表格です。
現に、この病気を持ってしまう人の割合は約8.4%(ざっくりいうと10人に1人)と言われており、男性が大体4%、女性が12%程度の内訳で女性のほうがこの頭痛に悩まされている方が多いです。10人に1人がかかってしまうわけなので、決して稀な病気ではないのです。
~なぜ頭が痛くなるのか?~
ざっくり解説すると、何らかの刺激(ストレス、天気が悪い、睡眠不足または過多、女性ストレスの変動、飲酒、カフェイン摂取、アルコール、強い光・音・においなどの刺激など)で視床下部という部分が刺激され、三叉神経節からCGRP(calcitonin gene-related peptide)が硬膜(脳を包んでいる硬い膜)の血管が刺激されます。それにより、炎症が引き起こされ痛みが生じ、頭痛として症状がでるのではないかという説が有力となっています。
参考文献:Headache. 2019 Apr 14;59(5):659–681.
~片頭痛はどんな頭痛なのか?~
片頭痛を我慢しすぎて慢性化したり、痛み止めを乱用しすぎて薬物乱用型頭痛が併発していますと、なかなか診断がつきにくくなるケースもあるかもしれませんが、片頭痛らしい症状とは、以下の特徴を持っています。
①頭痛の持続時間が4~72時間程度である
→つまり、頭が痛くなり始めてから数時間ぐらいは頭痛が続くということです。ズキッと痛くなってすぐにおさまるような頭痛だと、あまり片頭痛ではない印象を受けます。
②拍動性の頭痛である。
→つまりはギューッと締め付けられうような頭痛ではなく、ズキズキという脈を打つかのような頭痛であることが特徴といわれています。よく左右どちらか「片」側が痛む頭痛と誤認されていますが、両側どちらも痛む患者さんが半数程度と言われており、あくまで頭痛が一側性であることはあてにならないと思います。患者さんによっては首の後ろや後頭部が痛む方もいらっしゃるので、筋緊張型頭痛と誤認されていたり、緊張型頭痛と混在しているケースもあります。
③中等度~重度の痛みである。
→片頭痛の痛みはとても痛いので寝込んでしまったり、仕事や学業、日常の生活がままならない程度の痛みといわれています。
④嘔気嘔吐を伴う、または光過敏音過敏がある
→これも診断基準の項目ですが、多くは頭痛と一緒に吐き気が生じたり、頭が痛いときに音がうるさかったり、光がまぶしかったり、においがきついと頭痛が増強するのも片頭痛の特徴です。
上記に挙げた頭痛症状で悩まれている方がいらっしゃれば、ぜひ頭痛外来の受診をおすすめします。
正直申し上げますと、頭痛診療に対して真剣に取り組んでいる医療機関は少ないと思います。
頭が痛い症状で病院に受診していいの?と痛み止めで我慢しすぎていると、治りにくいつらい片頭痛になってしまいますので是非ご相談ください。